女子的奈良歩き 毎月1日&15日更新 |
まきこさん、ぱんを焼く
「米粉のパンとお菓子 睦実」
大和郡山、市街地を抜け、矢田丘陵のはじまるすそ野に
米粉のパンとお菓子のお店、睦実さんはある。
お店に入るとズラリと並んだパンとお菓子は、
すべて店主のまきこさんがひとりでこしらえたもの。
まきこさんのつくるパンはとてもおいしい。
米粉のパンは、もっちり、むっちり。
はらもちもよく、おやつにもぴったりだ。
睦実の米粉は、奈良県産の減農薬のお米をひいたもの。
パンやお菓子の材料の野菜も、可能な限り奈良県産の無農薬野菜を使っている。
自分の暮らす土と水でとれたものは、どこか遠くでとれたものより、
こころとからだにしっくりあう。まきこさんがそう考えた結果だ。
捨てられているお米がある――まきこさんがそんなショッキングな事実を知ったのは、
とある農業体験のイベントに参加したのがきっかけだった。
捨てられているのは、俗に〈くず米〉と呼ばれるお米。
精米の過程で割れたり欠けたりしたお米は、市販のお米からのぞかれる。
飼料にまわされるなど使われる分もあるが、余った分は捨てられてしまう。
誰もがもったいないと思う話だ。
そんなお米をなんとかしたい、とまきこさんが思ったとき、
思い浮かんだのが、お米を粉にしてぱんをつくることだった。
その頃ちょうど、米粉のパンが話題になりはじめていた。
実際に食べてみると、とてもおいしい。
その当時、いっぱんの会社員だったまきこさんは、
仕事のほかに、パン教室にかよっていた。
なにもかもがあつらえたようにぴたりとそろっていた。
〈米粉=パン〉という思いがまきこさんのなかでむくむくと大きくなりはじめる。
パン屋さんのおつとめでも、飲食店のおつとめでもない、
いっぱんの会社員のまきこさんが米粉パンのお店を開くまでには、
たくさんの乗り越えなければならない壁があった。
けれどそんなまきこさんを支えたのは、米粉のつなぐご縁だった。
〈米粉のパン〉を売るためでなく〈そこに米粉があったから〉。
「睦実」というお店のはじまりだった。
試行錯誤を重ねて、まきこさんがはじめて完成させたのが「まんまるぱん」。
名前のとおりに、まるまる、ふかふか、小さなぱん。
まるでまきこさんそのもののようなぱん。
やわかい味。かすかな甘み。しあわせの◎。
お店に行ったら、ぜひ米粉のパンといっしょに、
農家さんからのお知らせやパンフレットにも目を留めて欲しい。
睦実が次なる睦実のうまれる場であって欲しいと、
まきこさんは願っています。
Photo&Text:しろのすずめ
東京の出版社を経て、奈良在住のフリーライター。
古いものと東大寺と喫茶をこよなく愛する。女子的目線で奈良のよきもの集めます。
米粉のパンとお菓子 睦実
639-1053
奈良県大和郡山市千日町25-1
TEL:0743-55-6551
HP:http://www.kome-623.com/top.html
営業時間:10:00頃〜17:30頃(パン・お菓子売り切れ次第終了)
定休日:月、火、第2・第4日曜日
















