SPECIAL ISSUE vol.18
中川政七茶房が生まれるとき
2010 3 31 UP

中川政七茶房にもう皆さんは行きましたか?
遊中川の本店の中で素敵な空間が出来ている。築120年ほどの空間は趣があり、そこでは時間もゆったりとすすむ。
日本庭園を眺め、美味しいお茶と甘味を頂きながらいつもの休憩をすこし贅沢に。
そんな中川政七茶房はどんな風に生まれ、オープンに至ったのだろう。
この茶房の発案者であり、今もここが更に素敵になるために日々奮闘されてる
細萱久美さん(株式会社 中川政七商店 / 商品企画部)にお話を伺う事ができた。
ここが生まれる瞬間、知りたくないですか?
INTERVIEW
━━━中川政七茶房を(構想期間も含めて)始めるきっかけをおしえてください。
私、入社して2年くらいなんですが、奈良に来たのは1年半くらいなんです。ここに来たのはたぶん入社する1年くらい前に奈良に旅行に来た時に母と来まして、奈良って来た事がなくて、学校とかでもそいういう機会がなくて全くの初めてでした。雑誌とかにも載っていたので奈良町のこの辺に来て本店の奥の座敷とかを見た時に素敵な空間だし、お茶でも出来たらいいなと思ったんです。ぼんやり思ったんですよ。そんなことは忘れてたりもしたんですけど。(笑)
- いろんな事情から入社することになりまして、で実際、職場として見てもこの空間もったいないと思っていて何かすればいいのになと思ってました。会社の人にあそこカフェとかしたらいいと思いますよ。って言ってたんです。それで、その話が盛り上がって、『じゃぁちょっと専務に話してみようかな』ということになってで私は専務に『あそこでカフェやったらいいんじゃないですか?』って言ったんです。
- その時は本当に人ごとのように専務がおやりになったらいいじゃないですか。くらいの感じくらいだったかもしれないんですけど。軽く振ってみたら専務の中でもなにかぴしゃっとハマってしまったようです。割と冗談で取られると思っていたんですが、「そうよね、できるかしら。ちょっと考えてみるわ」(専務)っておっしゃって。
- 専務はやりたいってなると早い方なんですよ。だいたいよく一晩考えたんだけどってよくおっしゃるんです。その時も話した次の日くらいには「一晩考えたんだけど、やれるわね。」っておっしゃって。もちろん空間もあるし、今厨房になっている所ももともとお風呂場だったんですけど、ここはもちろんもう、住まいではないのでお風呂場も使ってなかったですし、そこを厨房にしたら。。。できるわ!って。
- それが去年の6月はじめくらいだったんですけど。それでまぁ、専務が「やってよ」っ(笑)ってなったんだかよくわかんないですが、なんか考える人になっていたんですよ。いつも間にか。で専務はもうご主人の会長OKをさっさと取って来られて、あとは社長だけなんだけど社長のOKはだれが取るのかって。『あなたが取ってよ』って専務がおっしゃって私も食の事とかすごく個人的に好きで『やってみたいな。あそこだったらぜったい流行る!』って盛り上がってたんです。みんなと。じゃぁちょっとがんばってみます。ってことになりました。
━━━6月からオープンまで早いですね。
- 10月オープンだからそうですね、3ヶ月、4ヶ月です。
━━━最初はメニューなども全く何もないところからのスタートですよね?
ないです。でも色んな話を聞いていると飲食店の準備とかって1ヶ月くらいでワァーっとするところもあるっていうんで、まぁまぁそれなりに時間をかけて準備しました。社長には簡単な企画書を用意して、なんとなく社長の耳には入っていたみたいだったので「例のことで。ちょっとご相談があります。」って社内メールを投げてみたら、「まぁ、ハードル高いと思うけど楽しみにしています」って。『ボクのOKが出るのはハードル高いよ』的な。わぁ、ドキドキするなぁって。そんなに大もうけはできないけど、遊中川のためになるし、基本、利益はでますよって企画書を出した所、「いけるんだ」じゃぁやろう(社長)。って即OKが出ちゃって。そっからOK出ちゃって嬉しいけどどうしよう。専務と二人で。専務もやりたいっておっしゃって。基本そこからは厨房の工事とかメニューをどうするかとかあるものは使おうとか進めてると10月にはOPENできるってってことになったんです。
━━━早いですね。
- そうですね。うちは割と早いです。ただ、たぶん専務の中でもぼんやりとこういうのはやりたいというのはあったらしく、でもしばらくちょっと忘れていたみたいでパカッと思い出させてしまったみたいです。
━━━お砂糖ひとつ、置くのにもこだわられてますね。
そういうところは猛烈にこだわってます。
- いちばんのこだわりはこういうあしらいだったりするのかもしれません。
━━━年齢層(ターゲット)は決めていたのですか?
- ターゲットは遊中川が基本です。遊中川が50代から60代が基本で。ただ実際は30代が多いってなってるんですけど、でもこの本店のこのあしらいからすると基本のターゲット(50代から60代)かなと思っていました。大人の方にゆっくりしていただけるようなそいういう喫茶店めいたものを。そこからMENUや構成を考えました。
━━━メニューの種類が豊富ですね。このくらいのメニュー数を最初から考えていたんですか?
試行錯誤しながらです。基本全部私が考えたんですけど。考えるといっても、プロではないので、ホントに本とか見たり、カフェとかの情報を参考にしてこれをアレンジしてウチっぽくしようかなとか。それは相当しました。色んなものを見て。もうずっとずっと考えながら、やっぱり物理的に出来る事を。あの厨房で可能な事を。仕入れの面とかを考えながらです。一旦、コレが絶対いい!とかになってもやっぱり無理が出てきたりとかするとやめてみたりとか、最終的にはオープンは6種類くらいが妥当かなと。絞り込みました。今、多少増えてます。
━━━先日、私はこちらの大和茶アイスが凄くオススメと中川社長に教えて頂き、
パフェを頂きましたが、細萱さんの中で是非食べてほしい!というオススメはありますか?
全部食べて欲しい!というのが正直なところですが、やはりパフェとかですね。大和茶アイス。抹茶アイスではなく、大和茶アイス。最中を使いたかったんです。そいういうポイントになるものを使いたくて最初はメニューにはあんみつがあって、季節的に今はお休みしているんですが、そこに鹿型に抜いた羊羹を飾ったりしていて、まぁ、商売の発想でいうとメディアとかに取り上げてもらいやすいとか、おはぎなんかもいいんですけど、パッと見た時に鹿とかが入ってるといいじゃないですか。オープンの時はあんみつにしていて、で最中をテイクアウトで作って。そしたらこの皮は何か使えるなと。であれを飾るのにはパフェが良いかな?と。パフェとかって京都とかはよくあるじゃないですか?いっきに行列とか出来たりしてくいつきのあるメニューであったりするし、じゃぁちょっとやってみようかってことになって。まず、ボリュームは出したいなと。でよくコーンフレークとかで量増ししてますけど、それは絶対にNGだなって。それで何を入れようかなと考えながら。で甘さは全体的に控えめにしようと。それは好みになるんですけど。このおはぎはポイントになるんじゃない?って専務がおっしゃっててで、テイクアウトができるように打ち出していきました。甘味に関しては季節感を出していきたいのでメニューを変えたいです。オープンからも少し変わってます。
━━━メニューの鹿の革のカバーの色が赤なのは何か意味があるのですか?
老舗らしさを出したかったんです。でそうなると何色がいいのかな?と。飲食は暖色系でいきたいなとも考えました。赤というか紅色というか。一応染めてもらった革なんですけど。鹿革ってすごく発色がいいんです。
━━━ランチはじまりますよね?
- 奈良のものしか使いませんとかはないんですが、鶏を使ったり、蘇っていう古代チーズを入れてみたり、あまりこだわりすぎずやんわりとしていきたいです。最初は軽食のつもりでした。茶房としたのはちょっと一休みにお茶でも飲んで頂いて、と思い、お茶を飲むイメージが強くて、でお茶だったら甘いもの出したら喜ばれるなそしたら、軽食も?そんなにガツッと出すつもりはなくて、「おこわとかかな」ってでないと厨房的に無理かなって考えてたんです。でも軽食って実際食べないなって。どうせやるならちゃんとやろうって試行錯誤して。
━━━ランチで使用するお重が素敵ですね。
ここの蔵にあったお重なんですけど、これをきっかけに蔵にも入れさせて頂いて色んな家具やら食器やらこういったお湯のみなんかもそうなんですけど。いろいろあって、一体ここはもと何だったんだろう?って。料亭だったのでは?と思う程すごくて。相当お客様の多いお家だったみたいです。お料理好きだったのかもしれません。料亭顔負けくらいの食器があってその中にお重があったんですけど、すごくバランスが難しいお重で。普通お重って段の高さが同じですよね?でもここのお重は一番下がすごく深くて、2段目が少し浅くて、一番上がかなり浅い感じになってるんです。なんでこんなバランスなんだろうって。昔はおかずはあんまりなくてごはんがどーんて入ってたのかな?と思いました。でもそこにご飯敷きつめると大変な量が入ってしまうので、かなりそこは考えたとこなんですけど。比較的すぐお重にしようと思ったかな?ちょこちょこ色んなおかずを入れるっていうやり方が割とこの辺に多いかなって思ったんです。色々ちょっとづつ食べれるのは女性が喜びますから、もちろん良い発想だとは思っていたんです。でもやっぱり(近辺に)多いので違う出し方をしたいなと考え、で良い器があったのでただ数があんまりなくていくつかは新調してもらったんですけどねこれで出したいなっていうのはあって。
━━━そのバランスがおかしいなとおもっても同じものを新調したんですか?
- そこは作ってみて初めてちょっとこれは難しいなって(笑)
- 見た時はそんなに考えてなかったんです。(笑)
- それにその面白さっていうのもあってまぁ、普通じゃないのがいいかなって。
━━━最初は厨房にも入られたんですか?
オープン前にはかなりどっぷりと厨房にいました。ひとりで。専務にその都度試食してもらったりしながら。ランチに関してはオープンしてから構想をたてながらキッチンの人にこういう感じでって作ってみてもらったりして、休みが無いので入り込んでやるわけにも行かず、最初はどういう風にしようかと思ってたんですけど、スタッフみんな信頼出来る人達ばかりなので投げちゃえば大丈夫。
- ゆくゆくは夜もやってみたら面白いかもと考えてます。
- 果実酒とか飲んで。そういう店もこの辺にはないですから。
━━━基本的に奈良と奈良じゃない人とどのくらいの割合ですか?
- 奈良以外の方が多いです。大阪とか。アンケートをとってて思いました。
━━━お店をするにあたりカフェ、茶房をする条件はありますか?
まずおいしいこと、安定した美味しいものを出すことは大前提です.
- 次に飲食におけるサービス。そして金額?ただうちは安くはないので。ただサービスはかなり重要かなと考えています。ほっとかれるとお客様困りますよね、ほっとかれないように心がけています。どうしても待たしてしまう場合は「すみません、少しお待ちください」っていう一言とか、そう言って逆にゆっくりしてもらえれば。おもてなしの心をもっていれば自然に出てきます。『おもいやり』だと思います。
店舗情報
中川政七茶房/なかがわまさしちさぼう
〒630-8221 奈良県奈良市元林院町31-1
OPEN 11:30〜18:00(年末年始以外は無休)
TEL. 0742-24-2267
FAX. 0742-22-2222
遊中川 本店
〒630-8221 奈良県奈良市元林院町31-1
OPEN 11:00〜18:30(年末年始以外は無休)
TEL. 0742-22-1322
FAX. 0742-22-2222
※近鉄奈良駅より徒歩8分/JR奈良駅より徒歩15分


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